【競馬】凱旋門賞へ「パーフェクト」。オルフェーヴルが前哨戦で見せた「進化」 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 そして、欧州での一線級相手にどこまでやれるか、という問題については、昨年の凱旋門賞6着馬で、今年のサンクルー大賞典(フランス)で昨年の凱旋門賞馬デインドリームを破り、続くベルリン大賞(ドイツ)も勝利してGIを連勝中のミアンドルの存在が絶好の物差しとなる。初の海外遠征初戦が休み明けとなるオルフェーヴルが、この夏もしっかりと使われてきたミアンドルを相手に余裕残しで勝てたことは、1馬身という着差に感じる物足りなさを補って余りあるものだ。

 もちろん、陣営はこの勝利を喜びつつも、慢心することはなく、本番を見据えている。
「休み明けとしては、去年の神戸新聞杯(1着。2着に2馬身半差の完勝)と同じくらいの内容でした。ですが、今日のままでは本番はダメ。残り3週間あるので、ここから調子を上げて臨みたい」(池江調教師)

「レースを通して、細かい改善点は見つかった。小さいところを少しずつ修正していくことで本番につながるはず。何より、今日のレースで馬も自信を持ったと思う」(スミヨン)

 三冠馬ディープインパクトはぶっつけ本番で3着入線(のちに失格)に敗れた。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタはフォワ賞で好走して、本番では僅差の2着に敗れた。

 そしてオルフェーヴルは三冠馬となって、フォワ賞も勝った。悲願に向けて、足りないパーツはもうないはずだ。

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