【競馬】福永祐一が語る「日本の馬では勝てない」という怪物

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

現役最強馬と言われるオルフェーヴルに死角はあるのか? photo by Nikkan sports現役最強馬と言われるオルフェーヴルに死角はあるのか? photo by Nikkan sports福永騎手インタビュー(3)

付け入る隙がないほど「強い」馬

今年の古馬戦線は、昨年牡馬クラシック三冠を達成し、有馬記念で古馬一線級を蹴散らしたオルフェーヴルが中心であることは間違いない。はたして、その"怪物"を打ち破る存在はいるのか? ライバルとなる有力馬の主戦を務める福永祐一騎手に、「打倒・オルフェーヴル」の手応えをうかがった。

――今回は、古馬GI戦線の話を聞かせてください。これまで、福永騎手はGIで15勝していますが、春秋の天皇賞やジャパンカップ、有馬記念など、いわば古馬最強クラスのGI勝利はありません。そのため、そこで勝つことをひとつの目標にしているという話を以前からしていました。今年の騎乗予定馬には、チャンスがありそうな面々がそろっています。

「ルーラーシップ、トゥザグローリー、ダークシャドウ、この3頭には期待していますし、3頭ともGIを勝つ可能性のある馬だと思っています」

――ルーラーシップはAJCCを強い競馬で勝利し、ダークシャドウは休み明けの京都記念で2着。トゥザグローリーも、前走の中山記念こそ10着と敗れましたが、有馬記念の好走(3着)や年明けの日経新春杯の勝ち方から、能力の高さは証明されています。この先、3頭が同じレースでかち合ったら、どうされるのですか?

「当面、ルーラーシップは天皇賞・春(京都・芝3200m/4月29日)が目標で、ダークシャドウはドバイデューティーフリー(ドバイ・芝1800m/3月31日)に向かうなど、それぞれ目指すところが違います。ですから、そういうことは、あまり深く考えていません。仮に、いずれそういうときが来たとしても、僕に選択権があるかどうかはわかりません。今は、目の前の一戦一戦で結果を出すだけだと思っています」

――春の古馬GIで最強クラスが集まるのは、天皇賞・春と宝塚記念(阪神・芝2200m/6月24日)。現時点での、全体の勢力図をどう見ていますか?

「オルフェーヴルがいますからね......。正直、あの馬(の力)がさすがに抜けています」

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