【Jリーグ】データで見る「決定機を作るチャンスメーカー」トップ7

  • 木村和司●解説 analysis by Kimura Kazushi text by Sportiva
  • photo by Fujita Masato

駒野友一が磐田の攻撃のカギを握っていることは、データを見れば一目瞭然だ。駒野友一が磐田の攻撃のカギを握っていることは、データを見れば一目瞭然だ。 2011年シーズンのデータ(J2からの昇格組は含まず)をもとに、Jリーグで奮闘しているプレイヤーを見極める特集の第2弾は、チャンスメーカー編。再び横浜F・マリノスの前監督である木村和司氏に解説していただき、Jの舞台で数多くの決定機を生み出しているプレイヤーを探っていきたい。

対戦してこそわかる「駒野の怖さ」

「得点ランキング」で絶対的な評価を下せるストライカーと違って、チャンスメーカーにはそうした公式記録はない。それでもそれに最も近いデータと言えば、「アシスト数ランキング」(表1)。ゴールに直結したプレイを示すこのデータは、一般的な判断基準としてわかりやすいのではないだろうか。

   1位は、磐田の駒野友一。上位チームの名だたる司令塔や実力派FWを抑えての、この成績は立派のひと言だ。そして、駒野がこれほどの結果を出せた要因を示すデータが表2の「クロス数ランキング」である。

   駒野は、247本という驚異的な数字でダントツのトップ。成功率は多少劣るかもしれないが、ストライカーが放つシュート同様、これだけサイドから仕掛けられたら、敵にとってはたまらないだろう。

 実際に横浜FMでは、駒野の対応には手を焼いたと木村氏が語る。
「代表の試合を外から見ていたときは、あまり怖さを感じなかったのだけれども、いざ対戦してみて、駒野のすごさを知った。FWの前田遼一との関係がよく、本当に嫌なところにボールを上げてくる。彼には相当苦しめられた印象があるし、ジュビロのサイド攻撃がいちばん迫力を感じた」

 その他、クロスで際立った数字を残しているのは、ミキッチ、ジュニーニョ、野沢拓也。
「ミキッチはタイミングがいい。狙いどころもよくて、敵を抜き切らずにボールを巻いて味方に合わせるクロスは圧巻だった。ジュニーニョにも翻弄された。特に左サイドのスペースに抜け出したときが要注意。独特のタイミングでボールを上げてくるから、DFがなかなか対処できなかった。野沢もセットプレイのボールを見てもわかると思うけど、精度の高いクロスを上げてきた。クロス成功数(56本)1位というのは納得できる」(木村氏)

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