【木村和久連載】トランプ大統領から「ゴルフ社交術」を学ぶ 石破首相にもオススメしたいゴルフ外交 (2ページ目)
(2)ゴルフ外交では相手を気遣いつつも、自分有利に
トランプ大統領は、1期目で安倍晋三首相とゴルフ外交を繰り広げていました。霞ヶ関カンツリー倶楽部でのラウンドは、テレビでオンエアされるほどの盛り上がりでした。
グリーン上では、安倍首相の長いパットが残っていても、トランプさんがサッとボールを拾ってオーケーにしてしまう。それが、彼なりの気遣いであり、ラウンドを仕切っているという自負なのでしょう。
普通、日本でラウンドするなら、トランプさんがゲストのはず。なのに、ホームコースのように振る舞うあたり、外交の仕切り屋としての本領発揮といったところでしょうか。
ゴルフは誰がゲームを仕切るかで、力関係がわかる、というものです。
一方、安倍首相はトランプさんの速いプレーに付いていけず、追いかける途中で、バンカーですってんころりんと転んだりしていました。そこからまた、安倍さんはトランプさんを必死に追いかける――その姿がけなげに見えて、好感度が上がったとか上がらなかったとか......。
日本はアメリカにどこまでも付いていく、という意思表示に見えてしょうがなかったですけどね......。
といった感じで、ゴルフ外交では主従関係、あるいはゲストやホストの役割がはっきりわかって面白いです。
(3)石破首相とのゴルフ外交
先日、日米首脳会談が行なわれましたが、マイペースの石破茂首相がトランプ大統領を煙に巻く外交とでも言いましょうか? まずは、なんとか乗り切った印象です。
ただ、石破首相がトランプ大統領と会ったあと、メディアから感想を聞かれて「トランプさんは声が大きくて怖い人だと思ったけど、実際に会うと人の話をよく聞く人だった」って、なんだんねん......。新人キャバ嬢の出勤初日みたいなコメントでしたね。個人的にはウケましたけど、ちょっと心配にもなりました......。
トランプ大統領と石破首相がゴルフ外交を繰り広げることはあるのでしょうか... illustration by Hattori Motonobuこの記事に関連する写真を見る
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