松山英樹に生まれた「余裕」。全米プロに向けて再び膨らむ快挙への期待 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 2日目、上位陣が大きくスコアを伸ばすなか、松山は5バーディー、3ボギーの「70」。グリーン上で苦しんで、2つスコアを伸ばすにとどまったが、通算6アンダー、53位タイという結果でギリギリ予選通過を果たした。

「後半に入ってショットがだいぶ安定してきたので、チャンスは多く作ることができたんですけど、パッティングを決めることができなかった。パッティングのフィーリングが以前とは違う? そうですね。グリーンのスピードもつかめていないし......。

 練習をし始めてから短期間で、よくこのスコアで回れたなというのもありますけど、(試合で)プレーしている以上は、ショートゲームのミスとか、パッティングのミスとか、だんだん許せなくなってくる。そこをしっかりとやっていければ、上位にはいけるかな、という感じはあるんですけど......」

 3日目も前半はなかなか波に乗り切れなかったが、後半に入って4つのバーディーを奪った松山。6バーディー、2ボギーの「68」で回って、通算10アンダー、44位タイと順位を上げた。

「14番までは全部ダメだったけど、15番からパットがよくなって、16番ではティーショットもよかった。(パットは)打ち方もそうですけど、いろいろと考えているなかで、15番のパットで少しハマった感じがあった。ここまで、時間がかかったな、と思います」

 最終日は強風が吹き、一時は激しい雨に見舞われる悪コンディションのなかでのラウンドとなった。おかげで思うようなプレーができず、松山の顔つきは終始険しかった。結局、4バーディー、2ボギーの「70」で終えた松山。ラウンド後も憮然とした表情で、言葉少なだった。

「4日間経って、何もいいところがない、というのが今の自分の状態というか、実力。よくなるかなと思って、いろいろと試してみるんですけど、逆に悪い方向にいったりして......。もうちょっと、練習しないといけないなと思う。まあ、4日間プレーできたっていうのが、一番の収穫じゃないですか。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る