黄金vsプラチナvs新世紀。女子ゴルフの実力者たちは何が優れているのか? (5ページ目)

  • 古屋雅章●構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images


渋野日向子(22歳)
しぶの・ひなこ/1998年11月15日生まれ。岡山県出身。身長167㎝。血液型AB。ツアー優勝4回(海外1勝)。2020-2021シーズン賞金ランキング33位(獲得賞金1864万5600円)

 一昨年の渋野選手の全英女子オープン優勝は、現地で「シンデレラストーリー」と報じられたとおり、"無欲の勝利"だったという見方ができます。しかし昨年の全米女子オープン(4位)では、渋野選手は無欲ではなかったと思います。

 例えがいいかどうかわかりませんが、闘牛が赤色の布に向かって邁進するように、狙ったピンに向かってショットを刺していきました。成績が振るわず苦しいシーズンを送っていましたが、USGA(全米ゴルフ協会)が仕掛けるリスクの高いピン位置に対して、逃げることなく打っていったのです。

 こうした攻め方をするため、渋野選手はグリーンを外した時に備えて、アプローチのバリエーションを増やしてきたと言います。つまり、ピンを狙って打っていったのは、無欲ではなく、強い意志を持っていた証拠です。

 ただ、ピンを狙っていく攻め方は、どこかで壁にぶち当たることになると思います。それでも今は、その攻め方にブレーキをかける必要はないでしょう。

 全英女子オープンを制した際も、最終日にグリーン右に池がある12番(パー4)ホールで、迷わずドライバーを握って果敢に1オンを狙っていきました。世界中に衝撃を与えたあの一打。それが優勝に結びついて、今の渋野選手の攻め方があるのですから、そこは貫いていってほしいと思います。

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