安田祐香、同世代の活躍で芽生えた気持ち「置いていかれちゃう」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――その先に"優勝"が見えてくるのでしょうか。

「そうですね。不安もあるし、周りが周りなので、自分のペースを崩さずに戦っていけたら......。

 同級生に強い選手がいるし、やっぱり焦っちゃうと思うんです。そういう時に無理に自分を追い込んだりせず、しっかり休養も取って、やる時はやる。そう割り切れるようにしないと、昨年のように疲れちゃうと思います。周りががんばっていることは刺激として、何より大事なのは自分が自分らしくあること。そう思っています」

――とにかく「焦らないこと」を心がけている姿勢が伝わってきます。それほど昨年は、同級生や年下の笹生優花選手らの活躍にも「焦った」ということですね。

「ハハハハッ(笑)。とにかく"自分をしっかり持つ"ということが大事だと気づかされた1年でしたね」

――女子ゴルフ界は次から次へと力のある選手が出てきて、競争は激化の一途です。生き残っていくうえで、大事なことは何でしょうか。

「モチベーションだと思います。プロになった以上、みんな技術的な才能は持ち合わせていると思う。目標をしっかり見据えて、試合に臨むことだと思います」

――憧れるプロのアスリートはいますか。

「調子が悪い時に『自分にはできない』などと、ネガティブになってしまうのはプロとしてダメだと思う。野球のイチローさんの記事などを読むと、自分というものを持っていて、周囲の声を気にしていない。私もその点を見習って、『線が細い』とか『成績が悪い』とか言われても気にしないようにしたいです」

(おわり)◆前編はこちら>>

安田祐香(やすだ・ゆうか)
2000年12月24日生まれ。兵庫県出身。身長163㎝。血液型O。アマチュア時代からプロツアーで上位争いを演じてきた『ミレニアム(プラチナ世代)』の代表格。プロデビューとなった2020年はケガなどもあって、不本意な成績に終わったが、2021年での巻き返しが期待される。2020-2021シーズン現在の賞金ランキング56位(獲得賞金821万2266円)

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