渋野日向子、メジャー制覇へのカギは? 村口史子が見た昨季と2021年の可能性 (2ページ目)

  • 柳川悠二●構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 6位という結果を残した上田桃子選手は、過去にリンクスコースを何度も経験していて、そこでのプレーを想定した練習を重ねてきました。リンクスコースで初めてプレーする渋野選手に、同様の結果を求めるのは酷なことだと思います。

 また、2020年のシーズン前、渋野選手はそのオフの間に肉体改造を断行。ショットのバリエーションを増えやすことにも力を注いできました。しかし、結果が出ないことによって、「どうしてスイングを変えたのか」といった批判の声が上がり始めることに......。

 渋野選手本人は、そうした批判記事などを目にすることはなかったでしょうが、ネガティブな声は自然と耳に入ってくるもの。気にしないようにしていても、つらい立場にあったと思います。

2021年もより一層の活躍が期待される渋野日向子2021年もより一層の活躍が期待される渋野日向子 それでも、全英女子オープンのあとに挑んだアメリカツアーで、渋野選手は徐々に自信を取り戻していきます。4試合に出場してすべて予選を突破。それは、彼女も語っているとおり、気持ちの変化が大きかったと思います。

 アメリカツアーに参戦して、自分よりうまい選手たちを目の当たりにし、「(世界には)すごい選手がいっぱいいるんだな」ということを、あらためて気づかされた。そこで、メジャーチャンピオンとしてのプライドというか、女王として「こうでなきゃいけない」という気持ちを捨てられたのではないでしょうか。

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