2020.11.30

原英莉花のメジャー2勝目を導いた、師匠ジャンボ尾崎の「鶴のひと声」

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 通算10アンダー、2位の西村優菜に1打差をつけてスタートした最終日は、「さすがに緊張して、ナーバスになっていた」と振り返る。初日にイーグルだった2番でボギーが先行した。

「ピンポジションや風にもよりますが、他の選手がみんな伸ばしてくるだろうなと、構えてしまった。自分もしっかり伸ばせるところまで伸ばしていこうという心構えではいたんですけど、序盤からパー5でボギーがきてしまって......苦しい展開になりました」

 同組の西村は序盤で大きくスコアを落とし、現在ツアー2連勝中の古江彩佳が猛追する。だが、原は6番パー4でバーディーを奪い、古江との差を広げ、7番、8番は厄介なパーパットを強気のパッティングでセーブする。

「(今季1勝目の日本)女子オープンの時とはぜんぜん状況が違って、あの時は自信を持ってショットに臨めていた。今週はショットに信頼を置けない状況で、『ここ(首位)で戦えているのがすごいね』とキャディさんと話しながら回っていた。

 反対にパッティングは、今までの自分とは違うプレーで、『誰のプレー?』って感じ(笑)。グリーンが難しいコースだからこそ、自分が納得できるまで悩んで、ラインが信じられるようになってから、しっかり打つという作業に取りかかりました。とにかく、パッティングに支えられました」

 今大会が通常のスリーサムではなく、ツーサムでのラウンドだったことも自身の闘争心に火を付け、優勝をたぐり寄せられた要因だった。

「自分は勝負が好き。ツーサムだと1対1の戦いというか、目の前の選手と戦っている感じがして、自分を奮い立たせるというか。『負けられない』という気持ちが芽生えて、普段入らないようなパットも気持ちでねじ伏せられたんだと思います」