黄金世代の臼井麗香が語る本音「置いて行かれた!って思っています」 (2ページ目)
――今季に向けて、年明けからタイ、マレーシアで合宿を行なってきたと聞いています。どういったところを重点的に強化してきたのでしょうか。
「合宿では、スイング改造をメインにやってきました。飛距離を伸ばすために、(昨季よりも)ヘッドスピードを上げています。そして、体調のピークを当初開幕予定だった3月に持っていく形で調整していました。
でも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で多くの試合が中止となってしまって、アース・モンダミンカップを迎えた時には、体調のピークから落ちてしまっていた状態でした。そのため、試合ではオフの成果を示すことができませんでしたが、これから今季、飛距離に関してはまだまだ伸びていくと思います」
――予定どおり3月に開幕していれば、イメージどおりの、万全の準備を施した状態でシーズンを迎えることができたのでしょうね。
「どうでしょう。私は"完璧主義"とまでは言えないんですけど、どれだけ練習をしても『よし、やるべきことは全部やれた』とは思えないんですよね。『もっとできた。もっと、もっと』と焦ってしまうんです。『ここがダメだ』って、ついマイナス面が目についてしまって。周囲からは『焦らなくていいんだよ』と言われるんですが、やっぱり焦ってしまうんですよね(苦笑)」
――なぜ焦ってしまうのでしょうか。
「やっぱり『黄金世代』と呼ばれていることが大きいかな、と思います。そして、『黄金世代』からすでに9人の選手が優勝を経験しています。まだ勝てていないのは、私を含めて数名なので......」
――やはり「黄金世代」、同い年の選手たちのことを意識していますか。
「しますね。もう(自分だけ)『置いていかれた!』って、ずっと思っています。でも、モチベーションを自然と上げられるのは、そうやって『黄金世代』のみんなが勝って、活躍してくれているからなので、感謝しています」
――「黄金世代」ですでに優勝している選手たちに対して、嫉妬というか、そうした感情を抱くことはありますか。
「それはありません。小さい頃から仲よくやってきた選手たちですから、みんなが勝つのは、純粋にうれしいです。昨季、アクサレディス in MIYAZAKIで(河本)結が初優勝した時も、最終日最終組で一緒に回っていたんですが、自分のことのようにうれしかったです」
――「黄金世代」の面々は、ライバルでありながら"親友"のような関係なんですね。
「そうですね。ジュニアの頃から大会で顔を合わせているので、みんな、すごく仲よしです。幼馴染に近い感覚というか、プロになっても、周囲を見渡せば『あっ(ジュニアの頃と)同じメンツだ』といった感じで、一緒にプレーするのも楽しいです。
そうやって、学園生活みたいに、みんなで楽しくキャー、キャーやっていますけど、(試合では)運動会になったら真剣勝負、みたいな感じで戦っています(笑)。ゴルフを離れても仲がよくて、先日も(勝)みなみの誕生日をみんなで祝いました」
――特に仲のいい選手はいますか。
「結ですね。小学校5年生の頃からの友だちです。付き合いが長いので、プライベートで一緒にいても楽ですね。また、私の考えに近いこともあって、ゴルフに対する姿勢や考え方、プレースタイルなどは、とてもリスペクトしています」
――「黄金世代」が強いのはなぜでしょう。何か理由がありますか。
「う~ん、どうしてでしょうね。(強さの)理由と言われても、ちょっと......。みんな、かなり個性が強いのは間違いないですけど。私は、試合でできるだけリボンをつけたり、かわいいウエアを着たりといったことを心がけているんですけど、それも大勢いる『黄金世代』の中で、プレーだけでなく、見た目でも個性を出していかなければいけないと思っているからなんです」
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