渋野日向子のプレーに米ツアーかと錯覚。
実力者2人に劣らぬオーラ

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 続く5番は、3人とも惜しいバーディーパット外しのパーも、迎えた2オンを狙える6番パー5で、それぞれがギャラリーを沸かせた。

 まず魅せたのは、海外メジャー2勝の実力者ユ・ソヨン。ピン手前に着弾した第2打は、一度ピン奥まで転がっていくも、傾斜に沿って戻ってきた。ボールはカップをかすめ、「アルバトロスか!?」とグリーンを囲む観衆から一瞬、歓声が上がった。結果は、難なくイーグルである。

 一方、負けじと2オンに成功し、イーグルパットを狙った渋野は、手堅く刻んだ畑岡とともにバーディーだった。

 7番パー4は、ユ・ソヨンと渋野がバーディー。差はなかなか詰まらない。

 ちなみにこの時、パーで終わった畑岡から「ナイスバーディー」と声をかけられた渋野は、「思わず『Thank You!』と答えてしまった」という。「アメリカでやっているような気分になってしまって......。あとで(畑岡には)『間違えた』と言いました(笑)」

 通算10アンダーの畑岡とユ・ソヨンに対して、渋野は通算6アンダー。7番グリーン脇に設置されたリーダーボードに表示されていたのは、通算7アンダーまで。渋野の名前は、そこに掲示されていなかった。

 畑岡、ユ・ソヨンの上には、さらに2人の名前が掲示されていた。ペ・ヒギョンと大里。ラウンド後の会見で、他の選手のスコアが伸びているのは気になっていましたか? と問われた渋野はこう答えた。

「気になってましたねぇ~。大里桃子の名前が一番に目に止まったのですが、それで『やべぇな、やべぇな』と思って(笑)。親友の名前がボードに上がっていると、自分も『がんばらなければ』と思いますし、(3日目に親友と)2サムで回れたら面白いんだろうなと思ってがんばったんですけど、全然届きませんでした」

 とはいえ、親友の好スコアに発奮したのか、続く8番のショートで、渋野はピン手前約1mにつけるナイスショットを放つ。この組、唯一のバーディーを決めて、通算7アンダーとした。

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