セキ・ユウティン、3年目の飛躍。「思った以上に長い道のりだった」 (2ページ目)

  • 水野光博●取材・構成 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

――仲がいいんですね。

「はい。妹は中国ツアー、私は日本ツアーに参加しているので、今はあまり会う時間がないのですが、チャットができるアプリでいつも連絡を取り合って、ゴルフのことだけではなく、何でも話します。今日、つけているネックレスは、私の誕生日に妹がプレゼントしてくれたものなんですよ。私は、妹の誕生日に洋服とピアスをプレゼントしました」

この日のネックレスは妹さんからの誕生日プレゼントだというこの日のネックレスは妹さんからの誕生日プレゼントだという――優勝の瞬間、浮かんだのはどんな感情でしたか。

「ファンの方、スポンサー、コーチ、妹、多くの方たちへの感謝の気持ちです。なかでも、お父さんへの感謝の気持ちは大きいです。ゴルフを始めた時から、私の成績がよかった時も、日本ツアーに参戦して成績がよくなかった時も、必ずお父さんが私のそばにいて、いいアドバイスをしてくれたので、今の私があります」

――優勝賞金で何か買い物はしましたか?

「お父さんは赤ワインが好きなので、フランス産の赤ワインを贈りました」

――ステップ・アップ・ツアーとはいえ、日本での初優勝。中国ツアーでは5勝していますが、日本では勝利までに3年を要しました。その道のりは長かったですか。

「日本のツアーのレベルは高く、『簡単には勝てないだろう』とは思っていましたが、思っていた以上に長い道のりでした。やはり、簡単には優勝できません。がんばっている人がたくさんいますから」

――3年目の躍進の要因として、どんなことが挙げられると思いますか?

「ひとつは、環境に慣れることができたのが大きいと思います。日本ツアーはレベルが高いだけでなく、試合数も多く、コースの種類も中国とは大きく異なります。ようやく日本の環境に慣れることができました」

 また、精神的にも大きく成長できたと思います。

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