完全撤退を考えていたアン・シネ。それでも日本のQTに参戦したわけ (4ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 セカンド、サードQTの出来からして、普段どおりのゴルフができれば、ファイナルQTでも上位争いに加わって、来季の出場権獲得は濃厚と見られていた。しかし、初日「76」と出遅れたアン・シネ。その後、巻き返しを図ったが、結局4日間通算2オーバー、51位に終わった。

 それでも、戦いを終えたアン・シネは清々しい表情を見せた。悔いなく、やり切ったという思いが、その表情からにじみ出ていた。

「これまでの日本でのプレーで、萎縮したり、自信をなくしたりした自分がいました。つらい時間を過ごしましたし、『スランプだった』と言えば、そうとも言えるでしょう。それくらい(日本の)コースで自信をなくしたので、来年は(日本ツアーで)自信と気持ちの強さを取り戻したい」

 QT51位という結果では、来季レギュラーツアーでのフル参戦は厳しいが、2018年シーズンの実績を鑑みれば、同順位でも推薦を含めれば、10試合前後の出場は可能だ。その事実を聞いたアン・シネは、「日本で出られる試合があれば、最大限出場したい」と、来季も日本ツアーの試合出場に前向きな姿勢を見せた。

 ただ、韓国女子ゴルフ協会が同ツアーのシード権を持つ選手に対して、いくつかの規定を改定すると突然発表。そこには、海外ツアーの出場試合を3試合に限定するというものもあるという。はたして、アン・シネはどういった選択をするのだろうか。

 何はともあれ、日本から"完全撤退"を思いとどまったアン・シネ。それこそ、自らを応援してくれる日本のファンを思ってのことだが、彼女には"日本で結果を出したい"という強い思いもある。そうすれば、ファンがもっと楽しんで、喜んでくれると思っているからだ。

 2019年、"セクシークイーン"がトーナメントで上位争いを演じる姿をたびたび披露し、再ブレイクが巻き起こることを期待したい。

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