タイガー・ウッズの後継者か。全米注目のキャメロン・チャンプとは? (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 こうしたチャンプの経歴を見てみると、まさに順風満帆。ずっと"王道"を歩んできているように見えるが、そのバッググラウンドを知ると、知られざる苦労もあったように感じる。

 2歳でゴルフを始めたチャンプ。その手ほどきをしたのは、祖父のマーク氏だった。

 黒人のマーク氏は、テキサス州ヒューストンの出身。空軍の退役軍人で、戦地の欧州から白人の嫁を連れて戻ってきたのは1960年代だった。しかし、当時のテキサス州ではまだ異人種間の婚姻は認められておらず、一家はすでにそうした婚姻が認められていたカリフォルニア州に移住した。

 マーク氏は子どもの頃、自宅近くのゴルフ場でキャディーのアルバイトをしていたが、当時は有色人種がプレーすることはできなかった。それでも、兵役中にゴルフを覚えると、すっかり腕を上げたという。

 ただ、チャンプの父である息子のジェフ氏はゴルフに関心を示さず、ベースボールに夢中だった。マーク氏譲りの運動神経のよさもあってだろう、実際にジェフ氏はプロ野球選手となって2年間、MLBでプレーしている。

 そんな息子のジェフ氏と違って、孫のチャンプはゴルフに興味を示し、マーク氏の指導によってどんどん上達していった。メジャーリーガーとして日の目を見ることができなかったジェフ氏も現役から退くことを早々に決断すると、カリフォルニア州に戻ってきて、Tシャツを売るビジネスを展開。プロを目指してゴルフに専念するチャンプを、マーク氏とともに支えていったという。

 振り返れば今年2月、タイガー・ウッズのファウンデーションが主催するPGAツアー、ジェネシスオープンにもチャンプは出場している。"チャーリー・シフォード記念招待"を受けての参戦だった。

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