米ツアーにまた「新星」。法律家よりゴルフを選んだアーロン・ワイズ (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 PGAツアーにとっては突如現れた"新星"ではあるが、ワイズはここまで、一歩ずつ、着実にプロの階段を上がってきている。実はプロ転向直後、オークモントで開催されたメジャーの全米オープン(2016年)に、ワイズは予選会から勝ち上がって出場しているのだが、そこでの経験がその後に生かされているという。

 その際、大会の結果は予選ラウンド敗退に終わったが、練習ラウンドではフィル・ミケルソン(アメリカ)、ジム・フューリック(アメリカ)とプレーしている。ワイズが当時を振り返る。

「(2年前の全米オープンでは)決勝ラウンドに進めなかったけど、あの1週間で学んだことは本当に大きかった。

 僕は『もうプロで戦う準備はできている』、そう思ってプロに転向した。そうして、(全米オープンでは)自分ではそれなりにいいプレーをしたと思っていたけど、予選ラウンド通過には届かなかった。

 でもそれは、当然のことだった。

 あのとき、フィルやジムのプレーを見て、彼らがどれくらいのエネルギーをゴルフに注いでいるのか、目の当たりにしたんだ。それに比べたら、僕はぜんぜん"(戦う)準備"なんてできていなかった。それからは、もっともっと必死でゴルフをするようになった」

 ミケルソンやフューリックらの姿を見て、プロの本質を知ったワイズ。ゴルフへの向き合い方を改めると、その翌月にはマッケンジーツアー(カナダPGAツアー)でプロ初勝利を挙げた。そして、2017年には下部ツアーのウェブ・ドットコムツアーに参戦。ここでも勝利を挙げて、今季(2017-2018シーズン)のPGAツアー出場権を獲得した。

 こうしてプロ転向からわずか2年ながら、着実に階段を上がってきたワイズは、今やトップツアーでも目覚ましい活躍を見せるようになり、ついにツアー初勝利まで手にした。

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