全米プロ、松山英樹がメジャー優勝に最も近づいた4日間を振り返る (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 相変わらずショットが安定しない中、3日目は我慢のゴルフとなった。結局、なかなかチャンスにつけることができず、通算6アンダーとふたつスコアを落とした。それでも、首位とは1打差の2位タイと、十分に優勝を狙える位置にとどまった。

「自分のプレー内容にはすごく不満があって、気持ちはすごく下がっています。ただ(首位と)1ストローク差っていうのは、テンションが上がりますね。助かりました。(最終日は)チャンスもあると思いますし、逆に今日みたいにピンチもたくさんあると思う。その中で、ミスは仕方がないですけど、ひとつひとつ、無駄のないプレーを心がけたい。いいプレーができて、最後の3ホールぐらいで面白い位置にいられたらいいな、と思います」

 最終日、ショットの調子は悪くなかった。1番から絶好のバーディーチャンスにつけた。ただ、そのバーディーパットを外すなど、いい流れが作れそうで作れなかった。単独首位に立ってからも、3連続ボギーを喫するなどして、前週のブリヂストン招待で見せたような爆発力はなかった。

 そんなふうにして、松山がリズムをつかみそこねていると、序盤で我慢のプレーを続けてきた同組のジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)がジワジワと浮上。バックナインに入ると、失速する松山を尻目に、トーマスは運も味方につけてスコアを伸ばした。そして、13番のバーディーで松山を振り切って抜け出すと、そのまま頂点に立った。

 松山も3連続ボギーのあと、14番、15番と連続バーディーを決めて意地を見せたが、16番でボギーを叩いて万事休す。絶好調だった今季序盤戦でも目の前に立ちはだかってきた"宿敵"に、再び苦汁をなめさせられた。

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