NBAのスーパースター、ステファン・カリーがゴルフのツアーデビュー (2ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 そんなカリーは高校時代、1~2年生まではゴルフ部にも所属していたという。3年生になるとバスケットボールに専念することになったが、そもそもジュニアゴルファーでもあったわけだ。

 その腕前は、NBAの中ではベストプレーヤーと言われる。思えば、一昨年のPGAツアー開幕戦、カリフォルニア州のナパバレーで開催されたフライズコム・オープン(現セーフウェイオープン)のプロアマ戦にも出場。当時、大ギャラリーを連れている組を発見し、何事かと思って近づいてみると、カリーが大勢のファンを引き連れて豪快なプレーを見せていた。

 今大会の初日の朝、カリーは思いのほか緊張していたという。下部ツアーとはいえ、れっきとしたプロツアーに初めて挑むのである。プロアマ戦とは、まったく違う空気感を肌で感じたのだろう。

 そして、10番スタートのティーグラウンドに立つと、NBAの試合に臨む瞬間と同じようにアドレナリンが吹き出たという。そのときの緊張感をカリーが振り返る。

「(NBAの試合前と)同じ感覚だったよ。同じようにアドレナリンが出るのがわかったからね。でも、バスケットボールと比べると、ゴルフはずっと、時間がゆっくりと流れていく。その中で、いろいろなことを考えてしまう。自分の名前を呼ばれた瞬間には、もう手の感覚をほとんど感じることができなかったよ」

 目まぐるしく展開が変わり、スピーディーなプレーが求められるバスケットボールとは違って、確かにゴルフにはそうしたスピード感はない。プレーしている時間よりも、考えている時間のほうが圧倒的に長い。ゆえに、頭の中ではいろいろな感情がよぎる。それこそ、「ゴルフの難しさなのだろうと改めて思った」とカリーは言う。

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