【木村和久連載】タイガー・ウッズ逮捕に思う、飛距離志向にはご用心 (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 このようなスーパースターのケガやトラブルから学ぶべきことは、アマチュアは決して無理をしてはいけない、ということです。

 だいたい我々アマチュアは、激しいトレーニングをする前から、すでに体を壊していますからね。個人的には、年明け早々に五十肩をやらかしました。カイロプラクティックに10回ほど通って、6月になってようやく8割程度回復し、ドライバーも打てるようになりました。

 昨年は6月から3カ月ほど、毎日ジョギングをしていたら膝を痛めて、一時は歩くこともつらい状態に。今は治りましたが、しばらくジョギングはしていません。駒沢公園のそばに住んでいながらジョギングができないというのは、キャバクラに行きながらお姉ちゃんがついてくれないようなもので、結構つらいですけどね。

 それはともかく、アマチュアゴルファーが体を痛める根本的な原因は、「飛ばそう!」という強い意思の実践です。

 ゴルフはそもそも、ハンディキャップがあるから、飛ばないとか、下手とかという部分はハンデ調整で補えるのです。「飛ばそう」という考えは、スキーで言えば「みんなで上級滑降コースを滑ろう」みたいな煽りじゃないですか。素人にとっては、とても危険なことですよ。

 だとすれば、「飛ばそう」思想は、極力やめたほうがいいでしょう。自分のドライバーの飛距離は220ヤードだから、220ヤードを常に曲げずに飛ばすようにしよう、そう心がけていくことでいいと思います。飛ばすことよりも、狭いホールや調子が悪いときでも安定した200ヤードのショットを打つ、むしろそういうことのほうが大事ですよね。

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