宮里藍、悲願のメジャー制覇なるか。「最後の戦い」がいよいよ始まる (3ページ目)

  • 古屋雅章●取材・文 text by Furuya Masaaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 だが、このまま終わらないのが宮里藍である。17番パー5でバーディーを奪って、この日は「74」でフィニッシュ。結果的にはカットラインより1ストローク少ない、通算イーブンパーで決勝ラウンドに進んだ。

 この2日目、宮里藍がスコアを崩す原因となったのは、ショットの乱れだった。前半のハーフは、ティーショットのドライバーや、2打目でフェアウェーウッドを使用した際に曲げることが多かった。それが、後半に入るとショットの乱れは徐々に治まっていった。

 ラウンド後、プレー中にどのような修正を施したのか聞いてみた。宮里藍の回答はこうだった。

「ショットに波が出たとき、最終的にたどり着くのは"テンポ"なんです。あとは"力感"です。このふたつが重要で、どちらかに集中していれば、大きく(目標の球筋から)外れることはない。そこで(ラウンド途中で)テンポと力感を緩めることに集中して、何とか(後半のプレーに)つなげられたと思います」

 身長155cmの小さな体でありながら、宮里藍が世界一まで上り詰めることができたのは、彼女がプレーヤーとして持つ、いくつかの資質の高さがあったからだ。その資質とは、"ショートゲーム""メンタルの強さ"、そしてもうひとつは"修正能力"の高さだ。

 もともと宮里藍は、ショットの安定感があるゴルファーではなかった。いや、むしろショットには不安定さが付きまとっていたと言っても過言ではない。それは、バックスイングの途中でフェースが地面を向くような"シャットフェース"という形に原因があった。

 宮里自身、この自らのシャットフェースに関しては、以前「直したい」と語っていたこともある。

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