松山英樹が挑むPGAツアー優勝者だけの大会。その名勝負を振り返る (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 冷たい雨が降りしきる悪コンディションの中、勝負を分けたのは7番パー3。ティーショットを池に入れてしまったレーマンに対して、ウッズはピン30cmにピタリとつけて勝利を手中に収めた。

「パーでも勝てたけど、やっぱりピンを狙ってしまった」というウッズ。この勝利で勢いに乗ると、その年の4月にはマスターズでメジャー初優勝。後続に12打差をつける圧勝劇を見せて、一気にスターダムへと駆け上がっていった。

 他には、2004年~2006年、オーストラリアのスチュアート・アップルビーが大会3連覇を成し遂げたことは印象深いし、ジョーダン・スピースが2位に8打差をつけて優勝した昨年の大会も記憶に新しいが、なんと言っても忘れられないのは、2000年大会だ。タイガー・ウッズとアーニー・エルスによるヘッド・トゥ・ヘッド(1対1)の戦いは、PGAツアーの数ある名勝負の中でも特筆すべきもので、今でもあのときの興奮と、両者の一打、一打が鮮明に思い出される。

 ともに16アンダーで迎えた最終18番は、打ち下ろしとはいえ、600ヤードを超えるパー5だった。ウッズが先にピン右下4mに2オンすると、対するエルスもピン左2.5mに2オン。なんと、ともにイーグルを奪って、戦いはプレーオフへと持ち込まれた。

 日没が近づく中、決着は2ホール目でついた。ウッズが12mのバーディーパットを決めて、エルスを退けたのだ。お互いに一歩も引かないプレーぶりは見応え十分だった。その白熱した戦いには誰もが酔いしれ、なんと面白かったことか。

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