マスターズ、首位と3打差の松山英樹。真価が問われる「残り2日間」 (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 しかも、強風が吹き荒れ、風が舞う。オーガスタの風は特に読みにくい。そのうえ、「風が当たるグリーンは、ボールが動く可能性もあるので気を使いました」(松山)というほどである。条件の過酷さがうかがい知れる。

 さらに松山は、「大雨でグリーンが遅い」というイメージと、「乾いて速い」というイメージの誤差を埋め切れずにいた。

 翻弄されたのは、松山だけではなかった。優勝候補にも名前が挙がっていたリッキー・ファウラー(27歳/アメリカ)は初日、トリプルボギーをひとつ、ダブルボギーを2つ喫するなど「80」の大叩き。81位タイと沈んだ。

 そんな状況にあって、松山は1アンダー、13位タイで終えた。

 松山がちょうどホールアウトして、日本人記者たちの囲み取材を受けているときだった。僕はベン・クレンショー()の姿を見つけた。そこで僕は囲み取材を途中で抜け出して、彼と話をした。
※ベン・クレンショー(64歳/アメリカ)。アメリカを代表する偉大なゴルファーのひとり。マスターズは1984年と1995年の2度優勝。

 クレンショーが「マツヤマはいくつで回ったの?」と聞くので、僕は「1アンダー」と答えた。すると彼は、空を見上げてこう言った。

「エクセレント。最高のスタートだよ。この条件を見てごらん。(松山は)初日にいいポジションにつけたね」

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