イ・ボミ、五輪出場への厳しい道のりに、隠し切れない「焦り」 (3ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 また、今のイ・ボミからは“不安”や“焦り”が見え隠れする。自らの“調整遅れ”だけでなく、五輪の代表権争いのライバルとなる世界ランキング上位選手たちが、米ツアー開幕早々に結果を出しているのが、その原因だ。

 昨季終了時点で世界ランク9位のキム・ヒョージュ(現在12位)は、今季米ツアーの開幕戦で優勝。同世界ランク14位のジャン・ハナ(現在5位)は、すでに米ツアー2勝を飾っている。さらに、同世界ランク10位のチョン・インジ(現在8位)は、今季米ツアー本格参戦を果たし、ホンダLPGAタイランドの2位をはじめ、各試合で好成績を収めている。

 そうした状況を目の当たりにすれば、イ・ボミも焦らないはずはない。まして、満面の笑みを浮かべられるような余裕などあるはずもなかった。

 そんなイ・ボミの様子について、専属キャディーの清水重憲氏に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「僕には(焦るような態度は)見せませんが、(イ・ボミに)焦りがあっても当然だと思います。しかしそれを、僕やトレーナー、彼女をサポートするみんなでカバーしていくのが役目ですから」

 昨季、イ・ボミに賞金女王をもたらした“チーム、イ・ボミ”。彼らは今季も、イ・ボミを全力サポート。目標達成へ向けて、最大限の力を貸してくれるに違いない。彼らの存在があれば、もしかすると高い壁も乗り越えられるかもしれない。

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