賞金女王に最も近い日本人プレーヤー、渡邉彩香が「目指す場所」 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 しかし、メジャー大会を制すれば、3年間のシード権が与えられる。賞金女王となった場合も同様である。つまりその間、海外ツアーに挑戦し、世界ランキングを上げる戦いにも集中できるわけだ。最大目標となる東京五輪での金メダル獲得に向けては、渡邉の目標はある意味、理に適っている。

 もちろん、今季ツアーの結果次第で、チャンスが巡ってくればリオ五輪にも挑戦するだろう。海外の大舞台に挑む気概は、常に持ち合わせている。現に今季も、海外のメジャー大会出場には闘志を燃やす。

 一昨年は全米女子オープン(予選落ち)と全英女子オープン(29位タイ)、昨年は全英女子オープン(予選落ち)に参戦。移動の際には荷物がなくなったり、試合でも強風や難易度の高いグリーンに悩まされたりしてきたが、「逆に、この厳しい世界で戦ってみたい」と、その思いは増すばかりだという。難しい環境での戦いに、渡邉の闘争心はかき立てられるようだ。

「全米女子、全英女子オープンには、今年もチャレンジしたいと思っています。海外の試合の魅力とか規模とかを肌で感じられますし、選手層の厚さだったり、求められる技術だったりが、日本とはまったく違うので、勉強になることが多いですからね。その経験が、今の自分の成長にも少なからずつながっていると思いますし。

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