【ゴルフ】「飛ばない」青木瀬令奈がシード獲得目前まできたワケ (4ページ目)

  • 金明昱●文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

「正直、最初は(スイング改造へ)思い切る勇気がなくて……。自分でも、スイングが悪いのはわかっていたんですけどね。ドライバーの飛距離だけじゃなくて、アイアンも左へ、右へと飛んでいましたから、これは直さないといけないと思っていましたが、とにかく(決断する)勇気がありませんでした。でも、コーチが後押ししてくれたんです。初めは多少の違和感があったとしても、『この練習をしておけば、普通に打てるくらいには戻れるから』って言われて。それで、がんばってみようと。そうしたら、1カ月くらいで結果が出たんです。もしスイング改造に踏み切っていなかったら、今でも予選通過できていたかどうか……。上位争いなんて、絶対にできていなかったですね」

 そう言って、青木は屈託なく笑った。

 青木はプレー中、バーディーを取っても、ボギーを叩いても、あまり表情を変えないようにしているという。

「完全にポーカーフェイス。周囲から『いつでも同じ表情をしているね』って言われます(笑)」

 そんな青木が、今季は一度だけ、ガッツポーズを見せた。センチュリー21レディス(7月24日~26日/静岡県)の2日目のことだ。

「残り3ホールで、ひとつバーディーを取らないと予選通過できないって状況で、(INスタートでの終盤)7番、8番とバーディーチャンスを外してしまって……。そして、最後の9番ホール。これを決めなければいけない、というバーディーパットは7~8mの距離が残っていました。そのとき私は、『絶対に入れる!』と思ってしっかりと打ったんです。そのパットが入って、思わずガッツポーズが出ましたね」

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