【ゴルフ】男子とはここが違う。女子ツアーが今、面白い理由 (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 こうした物語が次々に生まれるのも、男子ツアーの選手たちと比べて、彼女たちが、前へ前へと攻め切ろうとする姿勢を捨てないからだと思う。女子の選手たちからは、“戦っている”という空気感が伝わってきて、恐れずに「自分のゴルフを貫き通そう」という覇気を感じる。

 女子ツアーからはここ数年、勝負に対するこだわりも強烈に感じられるようになってきた。技量よりも、そうしたゲームに対する執着心や、どう攻めていきたいのかという、その葛藤も決断も、一打ごとの喜怒哀楽も、わかりやすいほど見る側に伝わってくる。

 男子ツアーと比較したくないけれども、男子ツアーの選手たちを見ていると、そのゲームはどこか“よそゆき”で、勝負に対する執着心や、がむしゃらさが欠けている。厳しいことを言えば、優等生っぽいゴルフなのだと思う。そこに、魅力は感じない。

 むしろファンが見たいのは、小気味のいい、パッションが感じ取れるようなプレイなのだ。今の女子ツアーは、すべてが成熟しているとは言えないけれども、彼女たちのゴルフからは、見ている側に伝達される“波動”が大きい。だから、ファンの心をつかんでいるのだと思う。失敗を恐れずに果敢に攻めていく光景や、とんでもないミスをして落胆する姿までもが、見ている側にわかりやすく伝わってくるところが、魅力なのかもしれない。

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