好調・石川遼。マスターズ出場の可能性はゼロではない (3ページ目)

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 そして、決勝ラウンドでも石川は変に気負うことなく、自分のゴルフに徹していた。3日目はボギーが先行したが、そのままズルズル後退することなく、後半に盛り返した。最終日も安定したプレイを披露し、最後まで上位争いを演じた。結果は8位タイと、マスターズの出場はやや遠のいたものの、石川からは米ツアー選手としての「風格」が確かに漂い始めていた。

「(同組で回った)イアン・ポールターからは『今のプレイをしていれば、来週、再来週といいプレイができるよ』と声をかけてもらった。レベルが上の選手から、そうやって声をかけられるのはうれしいですね。とにかく今週は、練習でできていることが、試合でも実践できた。2日目、3日目には自分のスイングを信じ切れなくて、うまくショットを打てないときもあったけれども、今日の18番のセカンドショットなどは100%に近い自信を持って打つことができた。

 これまでの1カ月くらいは『あーでもない、こーでもない』と悩み続けて、暗いトンネルの中に入ってしまったかのような状況で、試行錯誤のスイングを繰り返していた。それでもたくさん練習をして、やっとここまでの状態に持ってこられた。いろいろなことを試したりもしているけど、基本練習をこなして戻るべきスイングも備わった。そして何より大きいのは、何てことのないショットで自分の力をしっかり出せていること。それが、今の充実感につながっている」

 マスターズまで残り2試合。極めて厳しい状況だが、チャンスはゼロではない。そう思わせるだけの雰囲気が、今の石川にはある。

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