【ゴルフ】有村智恵が米ツアー1年目で超えられなかった壁 (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 有村は9月、昨年日本ツアーで初めて手にしたメジャータイトル、日本女子プロ選手権(9月12日~15日/北海道)の大会連覇に挑む。そのため、米ツアー今季最後のメジャー、エビアン選手権(9月12日~15日/フランス)には欠場するが、その後は米ツアーのアジアシリーズに参戦。なるべく米ツアーに専念していくという。

 来季のシード(賞金ランキング80位まで)はおそらく大丈夫だろうが、2012年7月には16位だった世界ランキングは、今や43位にまでダウン。現状のままでは、来季のメジャー大会や出場選手に制限のある試合には参戦することができない。その分、アジアシリーズでは、しっかりと稼ぐ必要があるのだ。

 有村の米ツアーにおける部門別成績(9月4日現在)は、平均飛距離が239ヤードで135位と低いが、一方でフェアウェーキープ率は82%で3位、パーオン率が70%で29位と、ショットの精度の高さは米ツアーでもトップクラス。問題は、やはりパットなのだ。1ラウンドの平均パット数は30.26で86位。この数字は大いに縮める余地があり、それが実現できれば、上位争いをする機会は間違いなく増えるだろう。

 セーフウェイクラシック(8月29日~9月1日/オレゴン州)では、3日目にパターを変えて効果がなく、最終日には元のパターに戻すなど、有村のグリーン上における苦悩はまだまだ続いている。

「でも、パッティングに関しては、少し光が見えた気がします。今やっていることを継続していけば、いつかきっと、結果につながると思う」

 有村のアメリカでの戦いはまだ始まったばかり。この苦しい経験を糧とし、花開くときが必ず来るはずだ。今はその日が来るのを、じっくり待ちたい。

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