【ゴルフ】全米プロ19位の松山英樹が語る「メジャー制覇」 (2ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 全英オープン後に臨んだカナディアンオープン(16位タイ)や、ブリヂストンインビテーショナル(21位タイ)では、「試合後、頭の中が真っ白になっていた」というほど、ショットの状態は悪かったらしいが、この大会前にはきちんと修正。「自分のイメージした球を打てるようになってきた」と話していたとおり、ショットは安定していた。だが、とにかくパッティングで苦しんだ。

「練習でできても、本番でできないのがゴルフ。大事なのは(練習でやってきた打ち方で)どれだけ勇気を持って打てるかどうか。そうした中で、ミスショットは3回しかなかった。フェアウェーもあまり外していない。問題だったのは、グリーン上。(パットの)ラインが全然わからなかった。(自分の読みと)あそこまでラインが違ったら、入るわけがない。(同組の)ストリッカーは、ミスパットがほとんどなく、長いバーディーパットも入っていた。あそこまでパットが入れば、楽だろうなと思った。改めてパットは大事だな、と思いましたね」

 2日目こそ、課題のパッティングを修正して68をマーク。スコアをイーブンパーに戻して、最低限の目標となる予選通過は果たしたが、3日目は再びパットが決まらなかった。同時にショットも乱れて、4バーディー、5ボギー、1ダブルボギーという出入りの激しいラウンドで73。スコアを3つ落として、トータル3オーバーと後退した。

「(練習場から)ショットは良くなかった。それでも、スタートホールのティーショットは悪くなかったので、大丈夫かな、と思っていたんですけど、迷いがあった分、その後はミスが多くなってしまった。パットも入っていないことはないのですが、大事なパーパットがまったく入らなかった。そういうパットが入れば、波に乗っていけたと思うんですが、それを簡単に外して、自分で流れを失ってしまった」

 しかし、悪い流れのままで終わらないのが、松山の強さだ。最終日は、ずっと苦しんできたパットでリズムをつかみ、上位進出を果たした。

「ショットは良くなかったけど、その分、パッティングがカバーしてくれた。後半は、いいチャンスにつけられて、それをしっかりと決めることができた。特に最後のパット(最終ホールのパーパット)は大きかった。スコアボードを見たら、外してイーブンパーにしたら、25、26位くらいで、沈めて1アンダーで上がれれば、20位以内に入れるような状況だった。実際にそのとおりになって、(最後のパットを)決められて本当に良かった」

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