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チャンピオンズリーグ&ワールドカップの優勝請負人へ 現在世界最高の右ウイングとは? (3ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

【なぜイングランドではなくフランスを選んだのか】

 第二の謎については「フランス代表とはずっと"つながり"があったから」と本人が答えている。U18からU23まで一貫してフランスのアンダー世代代表でプレーしてきた。

 オリーセがフランスを選んだというより、イングランドがオリーセを選ばなかったのではないかとも考えられる。

 オリーセは2001年12月生まれ。同世代のイングランドには有望なアタッカーが溢れていた。ブカヨ・サカ、アンソニー・ゴードン、カーティス・ジョーンズ、ジェイコブ・ラムジーなどがいて、1歳上にはフィル・フォーデン、ライアン・セセニョン、エミール・スミス=ロウ。1歳下世代にはコール・パーマー、ハービー・エリオット、のちにドイツ代表になるジャマル・ムシアラもいた。

 右ウイング、攻撃的MFは才能のゴールドラッシュだった。一方、フランスはアントワーヌ・グリーズマンの後継者を探していた。そもそもイングランド協会は才能の囲い込みの点でフランス協会ほどの熱心さはなく、オリーセだけでなくムシアラも逃している。育成年代のオリーセは未完成で最優先ではなかったのだろう。フランスはより将来性を重視するという違いもあったと思う。アーセナル、チェルシーのアカデミーでプレーしたが最終的にはレディングに移っていて、ビッグクラブのアカデミー所属を重視するFAの対象から外れていた可能性もある。

 母親がフランス語話者ではあるが、ナイジェリア人の父親は英語圏。英国育ちのオリーセにとってはイングランド代表を選ぶのがむしろ自然だったはずなのだが、先にフランスに選ばれたことでその後の流れが決まったわけだ。

 今ではイングランドの同世代より頭ひとつ抜けた感のあるオリーセ。イングランド代表にとっては大きな損失だったのではないか。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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