チャンピオンズリーグ&ワールドカップの優勝請負人へ 現在世界最高の右ウイングとは? (2ページ目)
【フランス代表ではなぜトップ下なのか】
3月27日、フランス代表はブラジル代表と親善試合で対戦。4-2-3-1システムの1トップはキャプテンのエムバペ。右は2025年バロンドール受賞者のウスマン・デンベレ、左にはリバプールのウーゴ・エキティケ。そしてオリーセはいつものトップ下に起用された。
32分にデンベレからのパスで抜け出したエムバペが先制。ダヨ・ウパメカノが退場で10人になったフランスだったが、65分にカウンターからエキティケが決めて2点目。2-1で勝利した。エキティケのゴールはオリーセのアシスト。このアシストにトップ下で起用されている理由の一端は示されていると思う。
カウンターから一気に中央をドリブルで上がるオリーセの右にはエムバペ、左にはエキティケがいた。それぞれブラジルDFがマークについていたが、オリーセはドリブルでひとりのDFを引きつけながら左足のアウトサイドでエキティケへラストパスを送っている。
エキティケ、エムバペ、自らシュートという3つの選択肢があった。3人のなかで最も得点力があるのはエムバペだ。しかし、そういう問題ではないのだ。オリーセがエキティケへパスした理由は、おそらくエキティケ側のDFが動いたから。裏をとられたくなかった。オリーセのシュートを警戒した。エムバペへパスが出ると予測して次に備えた。理由はわからないが、ともかくDFは内側へ動いた。その一歩をオリーセは見逃さなかった。
動いているDFは、その動きの方向と合わない限り、たとえ近くをボールが通ってもカットできない。エムバペへパスしても1対1でDFを抜いて決めたかもしれないが、エキティケへ出せばGKとの1対1なのだ。そしてエキティケは難なくゴールした。
アシストのパスは味方より敵を見なければならない。オリーセのアシストが多いのは、その眼があるからだが、ラヤン・シェルキも同様の眼を持っている。狭い局面の打開に関してはオリーセより能力は高いかもしれない。それでもトップ下の序列がオリーセ>シェルキなのは別の理由だろう。
守備力の点でシェルキより信頼されている。それ以上にオリーセのほうが推進力に優れている。創造性はシェルキかもしれないが、ブラジル戦の2点目のような場面では断然オリーセなのだ。デシャン監督はカウンターからの得点を重視していると考えられ、それならばオリーセのほうが適している。
なぜカウンターなのか。エムバペがいるからだ。世界中に競走して勝てるDFがいない。フランスのFWはデンベレ、デジレ・ドゥエ、ブラッドリー・バルコラなど軒並み速い。相手に引かれて速さが使えないならシェルキの創造力の出番だが、速さ勝負ならオリーセがオーガナイザーとして適任である。
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