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【ワールドカップ】高すぎる観戦チケットをめぐりNY市長がFIFAに抗議 日本のサポーターも給料3カ月分を投じることになるか(チケット料金表掲載)

  • ザック・ロウィ●取材・文 text by Zach Lowy
  • 井川洋一●翻訳・構成 translation by Yoichi Igawa

「60ドル(約9600円)の"サポーターチケット"は全体の1.6%しかない。これではまったく足りない。今回、FIFA(国際サッカー連盟)がW杯史上最高額のチケット価格を設定し、世界中で実に多くの人がこれに反対している。ここニューヨークでも、一般の人々が普通に買える価格にしてもらう必要がある」

ニューヨークの新市長ゾーラン・マムダニ(右)と妻のラマ・ドゥワジ  photo by John Lamparski / Bloomberg via Getty Imagesニューヨークの新市長ゾーラン・マムダニ(右)と妻のラマ・ドゥワジ  photo by John Lamparski / Bloomberg via Getty Images

 そう訴えたのは、2026年1月1日にニューヨーク新市長に就任したゾーラン・マムダニだ。インド人の両親のもとウガンダで生まれ、南アフリカを経て7歳の時にニューヨークに移住した現在34歳の政治家は、史上初のイスラム教徒のニューヨーク市長にして、一般市民の声を代弁する民主社会主義者である。そして、少年時代からアーセナルをサポートする大のサッカー好きだ──2012年にスペインのクラブ、レアル・オビエドが財政危機に陥った際、一部の株式を買い取って助けを申し出たこともあるほどの。

 マムダニは続ける。

「我々が具体的に必要としているのは、"ダイナミック・プライシング"の廃止、チケットの再販の際の上限価格の設定、そして地元ファンへの15%のディスカウントだ。サッカーという美しいスポーツ(the beautiful game)は、万人のためのものだから」

 これらは昨年9月に、当時はまだニューヨーク市長選への立候補者だった頃のマムダニが始めた署名運動、"強欲に終焉を"(Game Over Greed)が求めているものだ。富裕層だけでなく、一般的な市民が普通に心地よく暮らせるニューヨークの街を取り戻すとスローガンを掲げ、無料の市営バスの運営や公的な子供用の保険、市営のスーパーマーケットの設立、30ドルの最低賃金などの公約をもって市長選を勝ち抜いた彼は、自身が愛するスポーツに対しても同じ姿勢を貫いている。

「FIFAの公式サイトでチケットが再販される際、現状では価格の上限がない。つまり、60ドルで買ったチケットを6000ドル(約96万円)で売ることもできるわけだ」とマムダニは嘆く。

「また過去のW杯とは異なり、地域住民への割引チケットがない。そうなると、自分が住んでいる場所で世界最大のスポーツイベントが開催されているのに、チケットが高すぎて参加できないことになってしまう」

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