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【欧州サッカー】デル・ピエロは降格するユベントスを見捨てなかった ファーガソンの誘いにも「申し訳ありません」 (4ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【ピッチに作品を描いた芸術家】

 ケガや体調不良により、イタリア代表では活躍できなかった。2006年ワールドカップ・ドイツ大会ではスーパーサブとして6大会ぶりの優勝に貢献したが、レギュラーではなかったのだから喜び半減だろう。

 しかし、身長173cmと小兵の部類に入る男が、大型化が進むフットボールの世界で異彩を放ったのは、高いスキルと豊かな創造性の賜物だ。

 類(たぐい)まれなキープ力でマーカーを引きつけ、細かいボールタッチで狭いスペースをいとわず、相手DF陣の虚をつくパスで数多くのチャンスを創出した。精度の高いプレースキックもストロングポイントのひとつである。

 2003年に他界したユベントスのジャンニ・アニエッリ会長は、デル・ピエロを「ピントゥリッキオ」に喩えている。ルネサンス時代に名を馳せた画家の才気に重ねたのだ。

 デル・ピエロはピッチに美しい作品を描き続けた。彼のフットボールも、まさしく芸術だった。

著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

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