今季の久保建英はプレースタイルの変化で「得点とアシストの数字向上」か 地元スペイン人記者の分析と見通し (2ページ目)
【プレースタイルの変化で数字も伸びるか】
今シーズンの久保の目標であり最も改善すべき点は、本人も認めているように、得点とアシストの数字を向上させることだ。ラ・レアル初年度、4-4-2のFWとしてプレーした彼は、ヨーロッパのカップ戦を含めて9得点6アシストを記録した。2年目と昨季はそれぞれ7得点5アシスト、7得点4アシストと、ラ・レアルにおける彼の成績は下降傾向にある。
しかし、今季は前述のようなプレースタイルの変化により、久保は新境地を開いている。2024-25シーズン、日本代表でより内側でプレーし、わずか9試合で3得点6アシストを記録したことを忘れてはならない。これはクラブでの成績と比較すると、相対的にはるかに優れた数字である。
現時点ではラ・レアルが公式戦を3試合しか消化していないため、これらの要素が久保の現在のパフォーマンスにどのような影響を与えるかを論じるのは難しいが、見通しは明るいはずだ。バレンシアとのラ・リーガ開幕戦では、内側でパスを受けた後、ペナルティーエリア手前から放ったシュートで得点を挙げた。第2節エスパニョール戦では内側のスペースからチームのプレーに関与し、オーリ・オスカールソンのゴールに大きく貢献した。
直近のオビエドとのアウェーゲームでも、久保はバレンシア戦同様に絶好のチャンスを得た。シュートはわずかに枠を外れてしまったものの、このプレーはジョン・ゴロチャテギが競ったボールを奪ったことで生まれたチャンスであり、決して偶然ではなかった。
久保がサイドを離れてプレーするというアイデアは、攻撃だけでなく守備的な状況にも当てはまる。なぜなら、久保はより内側にいる相手にもプレスをかけているからだ。前述のボール奪取は久保が実質的にトップ下のような位置にいて、チームがボールを奪った時にシュートを打つ態勢を整えていた状況下で起こった。最終的に久保は66分間プレーした後、ゴンサロ・ゲデスと交代し、ラ・レアルは0-1で敗れた。
この試合での久保のプレーは大きくふたつのタイプに分けることができる。中央のポジションでボールを受け、相手の内側を攻めることができた時、彼はチームの攻撃の要となった。一方、典型的なウイングに位置してサイドでボールを運んだ時は、オビエドの左サイドバック、ラヒム・アルハサンを突破できなかった。彼は久保をマークする役割を完璧に果たし、この試合で最も目立つ活躍をした選手のひとりとなった。
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