【欧州サッカー】プレミアリーグ昇格&日本代表入りへ 今季、欧州で活躍が期待されるふたりのアタッカーをピックアップ (2ページ目)
ゲアハルト・ストゥバー監督率いるブリストル・シティも、森保ジャパンと同様、3-4-2-1を敷く。WBというポジションが存在する布陣だ。平河はそこで右も左もこなす。オーストラリア戦でも右WBで先発し、後半の途中から左に回っている。その多機能性はFC町田ゼルビア時代、さらにはパリ五輪を戦った大岩剛監督率いるU-23日本代表時代から認知されていることだが、代表チームであらためてそれを見せられると、次もありそうな期待感に包まれる。
日本代表のWB候補、ウイング候補に範囲を広げても、左右を満足にこなす選手はいない。三笘、中村は右ができず、堂安は左ができない。ポジションに適性がない。伊東は左でもプレーできるが、パフォーマンスは右に比べると落ちる。
具体的には、ドリブルでボールを操作する時に、両足を均等に使うことができるところが、他のWBにはない魅力だ。つまり、相手にとって進行方向がわかりづらい。身長は171cmだ。巧緻性に優れた小兵であることもプラスに作用している。大型選手にとっては捕まえにくい、嫌らしさがある。
神出鬼没、変幻自在。誇張して言えば牛若丸タイプだ。日本人らしい選手と言い換えることもできる。対峙する大型選手の脇をすり抜ける様は、痛快で絵になる。
三笘、中村、堂安との比較で言えば、平河のほうがWBらしいのだ。
森保監督はサイドバック系ではなくウイング系の選手をWBとして使うケースが目立つ。平河も例外ではないが、縦への直進的な推進力は現代表のスタメン候補より上だ。WBらしく見えるのは、単独で物事をやりきる遂行能力があるからだ。
一方、インドネシア戦では、周囲との絡みながらジワジワ攻め上がるウイングプレーも披露。単独突破を再三試みるも、単調になりがちだった左WBの俵積田晃太とは対照的だった。幅の広さで勝ったかに見えた。身体の大きな外国人選手が嫌がるタイプ。Jリーグより、チャンピオンシップのほうが、水が合っているような感じがする。
なにより左右両方をこなす多機能性があるので、ワールドカップのような短期集中トーナメントにはタイプ的にうってつけだ。今季の動向に目を凝らしたい。
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