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久保建英がエバートンに移籍したら懸念材料は? 伝統ある名門クラブでレギュラーになれるのか (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【久保ならレギュラーは問題なし】

 今シーズンのエバートン攻撃陣は、ドワイト・マクニール、カルロス・アルカラス、イリマン・エンディアイエの2列目が軸になるだろう。ただ、選手層は厚くなく、久保の実力であれば定位置を確保する公算は非常に大きい。

 中盤のイドリッサ・ゲイェは35歳を迎えた今もボール奪取能力が衰えず、DFジェームス・ターコウスキーの身体を張った守備は感動的で、GKジョーダン・ピックフォードのシュートストップは世界でもトップランクだ。エバートンの試合は見どころが多い。

 ただ、懸念材料を挙げるとすれば、デイヴィッド・モイーズ監督だろうか。

 マンチェスター・Uを率いていた当時(2013-14シーズン)、香川真司を不慣れな左ウイングに起用して個性を殺し、のちに「左サイドバックとの連係に問題があった」と自らのミスを責任転嫁した。モイーズの手腕に対して、リーダーのリオ・ファーディナンドは「指示が一貫していないので、選手は混乱する」と呆れるほどだった。

 その後、モイーズはレアル・ソシエダ、サンダーランドでも解任の憂き目に遭い、多くのメディアに「二度と現場には戻れない」と失敗の烙印を押された。しかし、モイーズ監督も低迷するウェストハムを生き返らせるなど、アップデートしているのも事実である。

 2025年1月、エバートンはジョーン・ダイチ監督を解任してモイーズに残りシーズンを託すと、18試合を8勝7分3敗で乗りきった。攻撃はマクニール、アルカラス、エンディアイエのテクニックが織りなすショートパスで構成し、守備戦術も個人任せではなく可変システムで対応した。ハイクロスを多用した、かつてのモイーズ監督ではない。

 そのモイーズ監督の率いるエバートンが今、久保に興味を持っているという。その後のステップアップを考慮すれば、マージーサイドで腕を磨いてもいいだろう。

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