久保建英がエバートンに移籍したら懸念材料は? 伝統ある名門クラブでレギュラーになれるのか (2ページ目)
【エバートンはプレミア屈指の名門】
移籍情報の流れてきたエバートンは、近年苦しみもがいている。2020-21シーズンこそ10位に入ったが、その後は16位、17位、15位、昨シーズンは13位に終わった。ローカルライバルのリバプールはプレミアリーグを制しているというのに、エバートンは降格を免れるのが精いっぱいだ。
こうした現実を踏まえると、レアル・ソシエダからの移籍は「ランクが落ちる」と見なされるかもしれない。久保の活躍をきっかけにラ・リーガやヨーロッパフットボールに触れた若年層の読者の方々は「エバートンなんかやめておけ」と否定するかもしれない。
しかし世界的な知名度では、エバートンはレアル・ソシエダをはるかに上回る。イングランドのトップリーグを9回制し、FAカップは5回、カップウィナーズカップ(現在のヨーロッパリーグの位置づけ)も1回優勝している。
最後の戴冠から30年以上が過ぎているとはいえ、エバートンは世界中のフットボールファンが認める名門だ。マンチェスター・U、リバプール、アーセナル、スパーズ、チェルシーと並び、プレミアリーグから一度も降格していないエリートでもある。
かつてはFWウェイン・ルーニーがマンチェスター・U(2004年)へ、DFジョン・ストーンズがマンチェスター・シティ(2016年)へ、近年ではMFアンソニー・ゴードンがニューカッスル(2023年)に羽ばたくなど、イングランド代表の主力も輩出してきた。ナメてもらっては困る。
また昨年12月には、自動車、旅行、エンターテインメント、スポーツなどの分野で事業を展開するアメリカの大企業『フリードキン・グループ』(セリエAのローマも所有)が新オーナーに就任。すでに少なからぬ債務を処理し、経営を軌道に乗せようとしている。
そしてこの夏、女子チームがDF北川ひかる、FW籾木結花、DF石川璃音を獲得し、昨シーズンから在籍しているMF林穂乃香も含めて4人の日本人選手を抱えることになった。日本を意識しているのだろうか。
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