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久保建英の起用方法は正解だったのか? スペイン人番記者の見解「監督に他の選択肢はほとんどなかった」 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【過密日程のなかでもフレッシュな状態でELに臨んだが】

 イマノルのローテーションはELを勝ち進むため、とりわけマンチェスター・ユナイテッドとの大一番にフレッシュな状態で臨むことを目的としていた。その前のセビージャ戦ではフィジカルを考慮し、最後の15分しかプレーしなかった久保建英は、オールド・トラフォードで旋風を巻き起こすために選ばれた選手のひとりだった。

 フレッシュなチーム状態を生かし、昨季チャンピオンズリーグ(CL)で見せたように、立ち上がりに高い位置からプレスをかけるというイマノルのプランはうまくいった。"赤い悪魔"を抑え込み、ゴールチャンスを作って、ミケル・オヤルサバルのPKで先制に成功。しかしその後、レフェリーの不可解な判定もあって逆転を許し、ラ・レアルはELからの敗退が決定した。

 2025年初めから続く地獄のような19連戦の最後を締めくくったのはアウェーでのラージョ戦だった。イマノルはこの試合の重要性やインターナショナルブレイク前最後の試合であることを理解しつつ、久保をオーリ・オスカルソン、アンデル・バレネチェアと組ませて前線で起用した。

 前半、ラ・レアルの守りは堅固だったが、攻撃にあまり流動性が見られず、久保とオスカルソンのコンビは機能しなかった。そんななかでもラ・レアルが先制点を奪ったが、不運にも後半に入り逆転されてしまう。

 イマノルが選手交代を次々と行なうなか、フル出場となった久保は、サイドを突破して右足でクロスをあげるなど、いくつかの場面でチームを牽引した。同点ゴールは彼がペナルティーエリア内で仕掛けて鋭いクロスをあげ、GKのクリアボールに反応したアルカイス・マリエスクレナが決めたもの。ふたりはそのゴールの喜びを分かち合っていた。

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