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プレミアリーグ勢の優勝はある? 識者がチャンピオンズリーグベスト16からの覇権争いを予想 (2ページ目)

【バルセロナが優勝する順番か】

杉山茂樹(スポーツライター)

<優勝予想>
本命◎:バルセロナ 
対抗○:レアル・マドリード 
穴▲:リバプール、アーセナル

 実力で見れば、優勝候補の筆頭はレアル・マドリードとなる。2番手はリバプールで3番手がバルセロナ。アーセナルが4番手、となる。

 レアル・マドリードはリーグフェーズ11位。リバプール(1位)、バルセロナ(2位)、アーセナル(3位)に比べると見劣りする。だがシーズンは長い。問われるのはこれからの調子だ。むしろ前半から飛ばしていないところに妙味を覚える。

 布陣のなかにキリアン・エムバペが綺麗に収まるようになったことが大きい。ヴィニシウス・ジュニオールとの2枚看板はもとより、ジュード・ベリンガム、ロドリゴを加えたアタッカー陣4人も、欧州一のスケールを誇る。近年はしぶとさを最大の売りにイングランド勢に対抗してきた同チームだが、今季はストレートに戦力で優位に立つ。

 受けて立つチームは危ない。レアル・マドリードは、悪い意味で(相手から)横綱相撲を強いられるかに見えるが、リーグフェーズでベスト16へのストレートインを逃しプレーオフに回ったことで、出遅れた印象を与えることができた。打倒レアル・マドリードで他のクラブが一致している様子ではない。強さをカモフラージュすることができている。ターゲットになっていないのだ。

 実際、リバプールがかなり強そうに見える。監督が代わり、サッカーの質が若干変わっただけではない。加えて強くなった。遠藤航の出場時間が減ったことは競争が厳しくなり、チーム力が上昇した結果だ。

 バルセロナは右ウイングのラミン・ヤマルに何かと注目が集まるが、輪を掛けていいのが左のラフィーニャだ。両ウイングが2枚看板を形成している点がバルサの強みだ。

 だが、推したくなる一番の理由は順番だ。CL優勝はビッグクラブで持ち回るものとの歴史的な前提に立てば、そろそろバルサの番なのだ。最後にCLを制したのは2014-15シーズン。10年前だ。CL史に従えば、眠りから覚めるタイミングなのだ。

 今回の組分けが輪を掛ける。バルサに思いきり運を感じる抽選結果となった。レアル・マドリード、リバプール、アーセナルがトーナメントの同じ山に入ったため、バルサは彼らと決勝まで対戦がない。優勝チームを予想する際に、これは大きなファクターになる。冒頭で述べたレアル・マドリード、リバプール、バルセロナ、アーセナルの順番は、抽選結果を踏まえると以下のように変化する。

 本命(◎)バルサ、対抗(○)レアル・マドリード、穴(▲)リバプール、アーセナル。

 スペイン対決。CL決勝で史上初のエル・クラシコが実現する可能性ありと見る。軸はバルサ。バルサの相手探し。競馬の見出しに習えばそんな感じだ。となれば、レアル・マドリードやや有利と予想するが、決勝までにレアル・マドリードが姿を消している可能性を勘案すれば、本命はやはりバルサで行きたくなる。

 サッカーの中身的には、オーソドックスな攻撃的サッカーがメインストリームを歩むとみる。目を凝らしたい。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

【画像】リバプール、バルセロナ、アーセナルほか 2024-25 欧州サッカー注目クラブ 最新フォーメーション

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