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ロナウドはサウジアラビアを離れられない? 前代未聞のオファーで引き留め作戦進行中 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【目標はW杯出場と通算1000ゴール】

 だが、ロナウドとアル・ナスルの現在の契約は2025年6月までだ。この期日を過ぎれば、彼はいつでも世界のどのクラブとも契約を結ぶことができる。しかし同時に、オプションでもう1年、現在の契約を延長することもできるし、新たな条件で契約を更新することもできる。

 そこでロナウドを手放したくないアル・ナスル、いやサウジアラビアという国家は、前代未聞の、サッカー史上最大のオファーを出してきた。さる2月5日、ロナウドは40歳になった。その誕生日プレゼントとして、サウジアラビアは大盤振る舞いのオファーを彼に申し出たのだ。

 新契約では、年俸1億8800万ドル(約244億円)、月給にして約1500万ドル(約23億円)が保証される。もしこれを受け入れれば、ロナウドは再び世界一の高給取りのサッカー選手となる。なんでも一番でありたいロナウドにとっては、とても魅力的な申し出だ。

 ただ、ロナウドをサウジアラビアに引き留めているものは金だけではない。いま現在、ロナウドの目標は2026年北中米W杯出場すること、そしてキャリア通算1000ゴールに達することにある。ちなみにここまで通算925ゴール(3月1日現在)を決めている。

 サウジ側はそのことをよく理解している。だからこそ彼が「もういい」と思えるまで好きなだけ現役を続けられる。新契約ではそんな体制も作りあげた。もちろん、その間は高額の報酬を払い続けることになるが、それは彼らにとっては問題ない。とにかく末永くサウジアラビアにいてほしいのだ。

 言ってみればこれは、ロナウドを"カズ化"させる計画なのだ。ちなみに58歳で現役を続けている三浦知良の偉業は、地球上にあまねく知れ渡っている。『ニューヨーク・タイムズ』紙が「カズという現象」について報道しているくらいだ。

 もちろん、カズの記録を破るには、ロナウドはさらに18年以上もピッチに立ち続けなければならない。フィジカル的には問題ないかもしれないが、カズのように3部や4部でプレーすることを彼がそれをよしとするかは疑問だ。昨年8月、ポルトガルのテレビ局のインタビューでは、ロナウドは「アル・ナスルで引退するだろう」と話し、それがすぐなのか、2~3年後なのかは「わからない」と述べている

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