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レアル・マドリードとユベントスで活躍するふたりの19歳 ギュレル&ユルディズはトルコ代表の未来を魅力的にする (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【ユベントスの10番を継いだユルディズ】

 ユルディズは昨季ユベントスでデビューして27試合2得点。今季からは栄光の10番を背負う。ミッシェル・プラティニ、ロベルト・バッジョ、アレサンドロ・デル・ピエロ、カルロス・テベスが着けていたエースナンバーだ。19歳のトルコ人への期待の高さがうかがえる。

 チャンピオンズリーグ・リーグフェーズ開幕戦、PSV戦のゴールはデル・ピエロを思い起こさせるものだった。左45度でひとりをカットインで外し、ふたり目の外を巻くシュートをファーサイドのポストに当ててゴールイン。かつて「デル・ピエロ・ゾーン」と呼ばれた場所からの一撃だった。

 ユルディズはこの角度からのシュートが得意なようで、その正確性とパワーは本家を彷彿させる能力を見せている。両足が使えてドリブルにキレがあり、ラストパスのセンスも光る。典型的な10番のタイプだが、ユベントスでのポジションは主に左サイドだ。

 左45度からの一発は確かにデル・ピエロ似ではあるが、プレーの雰囲気はむしろローマの王様だったフランチェスコ・トッティに近い。ユルディズは185㎝の長身で体格もよく、芯を食ったキックにパワーがある。繊細な技術とエネルギー、パワーが同居した、古典的でありながら現代性を実装したタイプ。

 セリエA第9節のインテル戦では、62分に交代出場するや2ゴールをゲットして4-4のドローに持ち込みマン・オブ・ザ・マッチに選出された。ひとりで流れを一変させられる、何か引きの強さみたいなものが感じられる。まだ歴代10番との比較は早いけれども、スター性は十分ではないだろうか。

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