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2026年ワールドカップで大注目! スウェーデン代表の強烈なアタッカートリオ (4ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【移民系選手が大きな力になる】

 イサク、ギェケレシュ、クルゼフスキの3人はそれぞれ得点力があるだけでなく、アシストもうまい。3人が連係できるところが魅力的であり攻撃力を倍加している。加えて、3人とも守備ができる。前線で相手のビルドアップを阻止し、ハイプレスでボールを奪う能力が高いのは現代のアタッカーらしい。

 スウェーデンは人道主義の観点から多くの移民を受け入れてきたが、近年では移民の失業率や犯罪率の高さから、国政を揺るがす社会問題となっている。ただ、サッカーに関しては移民系選手が大きな力になっているのは間違いない。同じく移民系選手だったイブラヒモビッチがそうだったように、現在はイサク、ギェケレシュ、クルゼフスキがスウェーデン代表を牽引している。

 優れたアタッカーが複数いる時のスウェーデンは強い。逆に言えば、そうでない時は低迷していた。選手が均質的で、それが堅実なだけのチームにつながっていた。均質的なチームはまとまりがいい半面、小さくまとまる傾向がある気がする。メキシコも準強豪の地位から先へ進めていない。日本代表や韓国代表も均質的なチームだ。

 欧州は移民の力でパワーアップしていて、フランス、ベルギーに続き、イングランドやドイツ、イタリアもそうなっている。スウェーデンは国情からするとむしろ遅すぎたくらいだが、ようやく低迷期を抜け出してジャンプアップする勢いを示している。

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著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

【写真】欧州サッカートップスターの美しきパートナーたち

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