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坂元達裕が右ウイングに戻ってくる ランパード体制になり「僕の長所を伝えにいった」 (2ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

【「ハードワークは僕のよさ」】

「前の監督はコベントリーのレジェンド的な存在で、僕らもすごく信頼していて、人柄もすばらしい監督だったので、そこは(解任を知って)がっかりしましたけど、新しい監督も、より戦術的な面、動き方であったり、攻撃の部分の回し方であったり、すごく具体的にミーティングで話をしてもらうことが多いので、頭のなかを整理しやすくなりました。僕にとっても、チームにとってもすごくプラスな部分かなと思います」

 前向きな心境と決意のほどは、自軍ボックス内でダイビングヘッド気味にクロスをクリアした後半アディショナルタイムまで、いつにも増して集中力の高さを感じさせる守備からも窺えた。

「意識はしていました。ここ数試合、相手のシュート数が少ないにもかかわらずイージーな失点をしてしまっていたので、攻撃の選手も守備をしっかりしなきゃいけないと監督にも言われていて。いつも意識していますけど、より強く意識しました」

 こうした攻守両面での持ち味は、容姿こそまったく異なるが、チェルシー正監督時代のランパードが、主に右ウイングで頼りにしたウィリアン(現オリンピアコス)の魅力と重なる。切れ味鋭いドリブル、危険度の高いクロス、そして足を止めないハードワークで信頼の厚かったブラジル人ウインガーの話をすると、コベントリーの日本人ウインガーは、こう反応した。

「僕自身、監督が誰でも自分のやるべきことをやるだけだと思っています。攻撃で仕掛ける部分だったり、クロスの部分だったり、チャンスメイクは自分の得意でもありますし、そのうえでディフェンスもサボらずにしっかりとハードワークできるというのが僕のよさ。日本人選手としてのよさでもあると思うので、そこは続けて、自分のよさをもっともっと知ってもらえるようにプレーしていきたい」

ウェスト・ブロムイッチ・アルビオン戦に先発、後半32分までプレーした坂元達裕(コベントリー)photo by REX/AFLOウェスト・ブロムイッチ・アルビオン戦に先発、後半32分までプレーした坂元達裕(コベントリー)photo by REX/AFLOこの記事に関連する写真を見る 続く12月11日の第20節ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦では、コベントリーは新体制下での初黒星(0-2)を喫することになった。不運にも方向が変わったシュートで先制され、試合の流れに反して追加点を奪われてしまった。だが坂元の「よさ」、さらに言えばチームにとっての彼の必要性は、77分間のプレーでより新監督にも伝わったのではないか。

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