クリスティアーノ・ロナウドら名選手がプレーした「貴婦人」の本拠地・ユヴェントス・スタジアム~欧州スタジアムガイド~ (3ページ目)
その後、「Accendi una stella(星に火を灯そう)」という取り組みにより、ユヴェントスファンが、自分の応援する選手の星の周囲の床を少しずつ「購入」し、自分の名前を刻むことが可能になった。このプロジェクトは、ユヴェントスファンでもある俳優のピエトロ・セルモンティが演じる、ユヴェントスに所属する変わり者のジュリオ・チェーザレというキャラクターのコマーシャルによって大きく宣伝された。
ちなみに2011年9月8日、新スタジアムのこけら落としとして、ユヴェントスの白黒のユニフォームの元になったとされるイングランドのノッツ・カウンティを迎えて対戦し1-1で引き分けた。
フランスに本部を持つスポーツマーケティング会社のSPORTFIVE社が2023年まで12年間の命名権を7500万ユーロで獲得したものの、スタジアム名は「ユヴェントス・スタジアム」のまま使用していた。だが2017年からは保険会社がネーミングライツを獲得し、「アリアンツ・スタジアム」となり、2030年までの契約を結んでいる。なおアリアンツを冠するスタジアムは世界で8つあり、2022年からオーストラリアにある「シドニー・フットボールスタジアム」も命名権で「アリアンツ・スタジアム」となり、イングランドのラグビーの聖地である「トゥイッケナム・スタジアム」も今年から「アリアンツ・スタジアム」とり、ユヴェントスのホームと同じ名前となった。
新しいスタジアムを使用し始めた2011-12シーズンからはセリエAで9連覇を達成し、優勝回数を34へと伸ばした(クラブは八百長事件で剥奪された2回の優勝の正当性を訴えており、優勝回数は36としている)。
だが、2020年代に入ってから、ユヴェントスはやや低迷しており、セリアAのタイトルを獲得することができていない。昨季も3位に終わり、今季から元イタリア代表で、昨季までボローニャを率いていたチアゴ・モッタが監督に就任した。「アリアンツ・スタジアム」で白星を重ね、5シーズンぶりにセリエAを制したい。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
【画像】 2024-25シーズン 欧州サッカー注目クラブのフォーメーション
3 / 3