久保建英の今季をスペイン人記者がデータ分析「最もデュエルに勝っているのは注目。パス成功数は改善点」 (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【2トップであればトップ下よりFWがいい】

 バジャドリード戦で久保は中盤ダイヤモンド型の4-4-2のトップ下に入り、ドリブルを仕掛け、FWと連係し、決定的なクロスやスルーパスを供給した。しかし、2トップのオーリ・オスカールソンとシェラルド・ベッカーはそのチャンスを生かせず、チームは勝利を掴めなかった。

 久保はトップ下でプレーした場合、スペースを見出すことができるし、質の高いパフォーマンスを披露できるだろう。しかし、このトップ下がベストのポジションだとは思わない。

 それは、彼自身が2トップに入って、サイドや中央で動き回るほうがより効果的と思うからだ。トップ下だとプレーのスペースがかなり狭まるため、相手に読まれやすくなってしまう。

 久保はすでに昨シーズン、アンデル・バレネチェアと2トップでプレーしているし、2022-23シーズンにはアレクサンデル・セルロート(現アトレティコ・マドリード)とお互いを完璧に理解し合ったコンビを形成していた。

 久保の機動力、スピード、クオリティーは2トップで大いに生かせる。また、イマノル・アルグアシル監督がヨーロッパリーグのニース戦のように5-3-2を選択した場合でも、彼はFWで力を発揮できると見ている。とはいえ、あのシステムはチームが置かれた状況を考慮したものであり、シーズンを通じて繰り返されることはないと私は思っているが......。

 ただ、チームの利益を考えると、ベストなポジションはこれまでどおりの4-3-3のウイングでのプレーだろう。それは、サイドで自由にプレーし、中央に向かって走るスペースがあり、クロスやゴールに直結するプレーをする彼のスタイルに適したシステムだからだ。

 彼の資質は、ウイングの位置から止めるのが難しい華麗なドリブルを斜めに仕掛けて、シュートを打つ時に発揮されると私は信じている。スペースを得た久保にエンジンがかかれば、相手DFは守るのが容易ではない。

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