久保建英の「電光石火の動きは少しも失われていない」 レアル・ソシエダ番記者が指摘する今後の改善策 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【チームのチャンスに何度も絡んだ】

 この対戦までラ・レアルは、中位以下の4チームと戦い、勝ち点12を取れるうちの4しか獲得できず、非常に悪い印象を与えていた。メンバーの多くが各国代表として戦ったインターナショナルブレイク後、ラ・レアルは先発した久保の意欲的なプレーにも助けられて目に見えて調子を取り戻し、レアル・マドリードを圧倒した。

 久保はキックオフから責任を背負うことを受け入れ、チャンスがあるたびにフェルラン・メンディと対峙した。最初の数分間何度も翻弄し、FKを誘発。またサイドからペナルティーエリア内に好パスを送った。

 守備では、レアル・マドリードがボールを持った時にイマノルが準備した4-4-2の右サイドから、プレスにおいて非常に重要な役割を果たし、何度もボールをリカバリーした。そのうちのひとつは、ポストを叩く強烈なシュートを放ったルカ・スチッチへのラストパスにつながった。

 ライブスコアアプリ『Sofascore』による久保のスタッツは、キーパス2本、パス成功率83%(42本中35本成功)、ドリブル成功1回(5回中)、ピッチでのデュエル勝利4回(10回中)、被ファール3回。

 その一方で18回ボールをロストしたが、リスクを冒してボールを失ったものもあれば、ミスによるものもあった。得点もアシストもなく、チームもゴールを奪えずに敗れた。

 しかし、アラベス戦に続いて今季2度目のフル出場を果たし、いいパフォーマンスを発揮したチームにおいて、ベストプレイヤーのひとりとなった。復調の兆しを見せ、今後の試合での改善が期待できる内容となった。

 しかし久保は試合後、主審マルティネス・ムヌエラのレフェリングは明らかにレアル・マドリードを有利にしたと主張し、怒りを露わにしていた。実際、ヴィニシウス・ジュニオールに与えたPKの説明を主審に求めようとする姿が、テレビカメラに収められている。

 さらに試合後の会見で、「あのPKは非常に疑わしいもの。僕が求めるのは説明だけだ。試合前に予想してよりもいいプレーができていただけに、本当に腹が立っている」「僕が言えるのは、ヴィニシウスに対するジョン・アランブルのファウルは笑えるものだったということだ」と付け加えた。

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