ユーロ2024敗退にイタリア人記者の怒りが爆発! ブッフォンもW杯への危機感を露わに (2ページ目)
【優れた選手を輩出できないでいる理由】
当時のイタリアと今のイタリアのどこが違うのか。その答えは単純明快だ。今のアッズーリの選手たちは技術的にお粗末で、強いパーソナリティもない。一方、2006年のチームは、才能も気概も高いレベルの選手たちが揃っていた。フランチェスコ・トッティ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、アンドレア・ピルロ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、ファビオ・カンナヴァーロ......。
現在の代表選手たちとはインパクトが違う。テクニックにしろ、戦術にしろ、彼らはかつてのアッズーリたちの靴磨きにさえ値しないだろう。そのことは今回のユーロで誰の目にも明らかになった。
長い間、イタリアに才能ある選手が生まれていない。スターではなく、普通に優れた選手さえ輩出していないのだ。6月初旬に行なわれたU-17ヨーロッパ選手権でイタリアは優勝し、いくつかの名前は浮かび上がった。だが、17歳では優秀だったとしても、A代表にたどり着くまでにはあと6年は必要だ。今のイタリアではA代表に入る平均的年齢は23歳。それはイタリアのクラブチームが若手を信頼していないことを意味する。彼らは、下積みの必要がない、すでに経験のある選手を好む。
典型的な例をふたつ挙げよう。このユーロ2024で、イタリアにとって唯一ポジティブな存在となったリッカルド・カラフィオーリ(ボローニャ)とインテルでスクデットを手に入れたばかりのフェデリコ・ディマルコ。彼らはすでに19歳の時にはその才能を認められていたのに、イタリアに彼らの場所はなく、スイスでプレーをしなければならなかった(そのスイスに敗れたのは皮肉だが......)。
追い打ちをかけるのが、イタリアのクラブの昔からの悪しき習慣だ。優秀な選手、チームのスターを、国外に求めるのだ。それも特にストライカーを。おかげで指揮官ルチアーノ・スパレッティはゴミ箱の底まであさって、トップの選手を探さなければならなかった。そうやってアッズーリのトップを任されたのが、苦肉の策としてイタリアに帰化させたアルゼンチン人、マテオ・レテギ(ジェノア)や、アタランタで一瞬の輝きを見せたジャンルカ・スカマッカだ。
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