ユーロ2024優勝はどこになる? 好調のスペインかフランスが巻き返すか 識者共通のサプライズ候補も (3ページ目)

【オランダには一発の可能性がある】

杉山茂樹(スポーツライター)

◎本命:スペイン 
〇対抗:フランス 
▲穴:オランダ 
☆大穴:オーストリア

 高位安定。キリアン・エムバペという大エースがいるフランス。フランスに比べてやや線は細いが右肩上がりの状態にあるスペイン。どちらを評価するか。悩むところだ。

 負けられない意識が悪い意味で強まりそうなフランスは、受けて立ってしまう可能性がある。フランス絶対の時代が変化することにも期待したいので、スペインを優勝候補の筆頭に推す。ウイング攻撃と中盤サッカーと両サイドバックの関係がどこよりも円滑。攻撃の終わり方がいつになくいい。

 しかしスペイン、フランス両軍が順当に行けば準決勝で争うことになる側のトーナメントの山には、ほかにも有力チーム(ドイツ、ポルトガル、ベルギー)がひしめく。両チームが無事に準決勝で対戦する可能性は、客観的に見て5割程度だ。

 一方の山が楽に見えて仕方がない。イングランドにとってはチャンス到来だ。ユーロ初優勝に向けおあつらえ向きの展開になった。

 オランダも喜びたいところだが、フレンキー・デ・ヨング、トゥーン・コープマイネルスら中盤の有力選手をケガで欠き本来の力が出ていない。実力をつけているオーストリアにグループリーグに続き、足元をすくわれる可能性がある。

 とはいえ、オランダには一発の可能性がある。試合運びは不安定だが、一瞬、光る技術がある。準決勝がイングランド対オランダとなれば、全体的にイマイチなイングランドではなく、オランダの切れ味に懸けたくなる。

 地元ドイツは決め手不足。好選手の数ではどこにも負けないポルトガルは、監督采配に難あり。イタリアは総合力不足。ベルギーはスケールダウンした――と見る。注目選手はベルギーのジェレミー・ドク。そのウイングプレーは必見。

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