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遠藤航のリバプールは決勝進出が見えた CL、ELのベスト8以降の組み合わせ決定 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【欧州サッカーはウイングの時代に】

 ELは遠藤航所属の本命・リバプール優位の組み合わせになった。決勝まですんなり勝ち上がるのではないか。アタランタ、そしてベンフィカないしマルセイユに番狂わせを許すとは思えない。

 ミラン、ローマ、レバークーゼン、ウェストハムの4チームのなかから勝ち上がるのはどこか。焦点は"リバプールの相手探し"だが、紙一重の戦いだと見る。

 選手で注目したいのはウイングだ。CL、ELベスト8に駒を進めた16チーム中、左右に両ウイングを据えて戦うチームは12チームを数える。ウイングはつまり毎節、最低24人ほど登場する。交代も含めるとその倍近い選手がドリブル&フェイントを主体とするウイングプレーを競い合うことになる。

 時代は、中盤選手全盛からウイング全盛に変化した。ウイングの活躍度が試合結果に影響を与える割合が増している。

 ウイングプレーが決まった瞬間、スタンドは間違いなく揺れる。歓声に包まれる。

 ヴィニシウス(レアル・マドリード)、フィル・フォーデン、ジェレミー・ドク(マンチェスター・シティ)、ブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)、ラミン・ヤマル(バルセロナ)、レロイ・サネ、キングズレー・コマン(バイエルン)、ウスマン・デンベレ(PSG)、ジェイドン・サンチョ(ドルトムント)、ラファエル・レオン、クリスティアン・プリシッチ(ミラン)、モハメド・サラー(リバプール)、モハメド・クドゥス、ジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)、アンヘル・ディ・マリア(ベンフィカ)......と、優秀なウイングの名前がずらりと並ぶ。壮観である。

 決勝トーナメント1回戦で姿を消した選手の中にも、フランシスコ・コンセイソン(ポルト)、ヨハン・バカヨコ(PSV)ら記憶に留めておきたいウインガーがいた。気鋭のウイングがきら星のごとく輝いているのが、今季の欧州戦線だ。ウイング天国は日本に限った話ではない。世界ナンバーワンウイングは誰かという視点を携えながら佳境を迎えたトーナメントを楽しむのも、観戦の醍醐味だと考える。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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