アーセナル敗北、バルサも勝ちきれず...混沌とするCLベスト16 「2番手争い」を抜け出すチームはどこか? (2ページ目)
【冨安健洋はまたも登録外に】
事件が起きたのは94分。時計はラスト30秒を切っていた。ポルトのブラジル人左ウイング、ガレーノにミドルシュートを右隅ギリギリに蹴り込まれてしまった。
アーセナルに試合終盤のゴールで劇的な勝利を飾ったポルトの選手たち photo by AP/AFLOこの記事に関連する写真を見る アーセナルホームで行なわれる第2戦で、両者の関係に何か大きな変化が生まれそうな気はしない。アーセナルの突破確率はせいぜい60%。接戦必至である。
冨安健洋は登録外で出場していなかった。アジアカップ後、これで3試合連続、登録を外れたことになる。ケガが日常的なこの選手と日本サッカー協会はどう向き合うべきか。もっと悲観的になるべきだろう。
アーセナルがCLで唯一決勝に進出した2005-06シーズン、優勝を飾ったのはバルセロナだった。CLとしてはこの時が初制覇で、欧州一はチャンピオンズカップ時代の1991-92シーズンに次ぐ2度目の栄冠だった。その間の13シーズン、宿敵レアル・マドリードが優勝回数を重ねていただけに、ファンにとっては待ちわびた瞬間だった。
その後、2014-15シーズンの優勝で欧州一に輝いた回数を5としたバルサだが、以降、回数は伸びていない。その間、8シーズン。当初、その敗戦は番狂わせと言われた。バルサより格上に当たるチームはいなかったからだ。しかし、今季の決勝トーナメントに残った16チームの中で、バルサはブックメーカー各社から7番人気と評価されている。優勝候補ではまったくない。国内リーグでも現在、首位レアル・マドリードに大差(8差)をつけられての3位だ。最近のバルサには誰もが懐疑的になっている。
あまり期待されていない。そうした意味では逆にチャンスなのだ。バルサは大きな名前なので、ダークホースとは言えないが、優勝候補にとっては、逆に怖い存在だ。
決勝トーナメント1回戦の相手は、成績不振で監督交代が行なわれたばかりのナポリ(セリエAで現在9位)だった。アウェー戦ながら比較的楽な相手に見えた。先制したのはバルサ。後半15分、懐深くターンして放ったロベルト・レバンドフスキー(ポーランド代表)の右足シュートも見事だったが、相手の股を通して送ったペドリ(スペイン代表)のパスもそれと同じくらい光って見えた。中盤好きの日本人にはこちらのほうが受けるプレーだったかもしれない。
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