マンチェスター・シティで存在感を増すスペイン代表MFロドリ 風間八宏が指摘する特長とは (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【大きな特長はボールを前に運べること】

 1996年6月22日生まれのロドリは、プロデビューしたビジャレアル時代から将来を嘱望される大型ピボーテとして注目されていたが、より成長を遂げたのは、2019年にディエゴ・シメオネ監督が率いるアトレティコ・マドリードから、グアルディオラ監督が率いるマンチェスター・シティに移籍してからだろう。

 加入当初からマンチェスター・シティの主力となったが、そのプレーバリエーションは、グアルディオラ監督の戦術の変化とともに広がっていった。

 では、なぜロドリはこのような進化を果たすことができたのか。その前提となるプレーの特長について、風間氏が解説してくれた。

「何より、すべてのプレーが正確であるということ。何か派手なテクニックを見せるわけではありませんが、受ける、止める、運ぶといったすべてのプレーが正確で、彼がボールを持つと相手が止まってしまいます。

 なぜ相手が止まるのかと言えば、ボールを受けたら次に何でもできる体勢をつくれるからです。相手を止めてくれるので、他の味方選手にしてみれば楽ですよね。

 それと、ボールを運ぶ技術が高いというのも、大きな特長だと思います。このポジションの選手は、どちらかと言えばボールを受けたらパスを選択する場合が多いですが、ロドリは状況を見極めながら、ボールを前に運んで攻撃の幅を広げることができる。

 もちろん、高精度のパスも武器としているので、相手陣内では攻撃的MFとして攻撃の司令塔役にもなれます。しかも、いつも前向きでプレーするので、相手はなかなか捕まえられません。

 たとえば、バイエルンのヨシュア・キミッヒの場合はボールを運ぶプレーをあまりしないので、相手は捕まえようとすれば捕まえられる。また圧力をかければ、後ろや横にパスするケースが多いので、しっかりマークすればまだ対応はしやすいんです。

 ところがロドリは、パス以外にも運ぶという選択がある。後ろや横に逃げずに、前に出て行いけるので、なかなか対応しにくい。本当に厄介な選手です」

 まさに、何でもできるスーパーMF。世界広しといえども、ロドリと同じ能力を兼ね備えた選手を探すのは難しい。それほど、特別な選手であるということだろう。

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